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クラシックについて語りたい【第三回】

「クラシックの液体についての話をしたい。」

そう聞くと、苦味とか色の話か?と想像されると思う。

その通りなのだが・・・。

(前回からの続き)

ベアレンクラシックはIBU23、という苦味値にも関わらず、それ程苦くはない。

その大きな原因は、麦芽を必要以上に多く使用している、からである。

「必要以上」という表現は大げさかもしれないが、今の時代においては「必要以上」であることに変わりはない。

ここで、そもそもベアレンクラシックの原型となっている「ドルトムンダー」というビールのスタイルに少し触れたい。

「ドルトムンダー」というビールのスタイルは別名「エクスポート」とも呼ばれ、かつてドイツの都市ドルトムントで造られていたビールのことを指す。エクスポートとばれるだけあり、エキス分が高く、長期輸送にも耐えられるラガービールで、当時は炭鉱で働く人たちに広く愛されていたビールである。

流通が革命的に進化を遂げた現在において、わざわざエキス分が高くなくても長期輸送も充分に可能なわけだが、ベアレン醸造所では、(少々ロマンチックな言い方をすれば)1900年頃のレシピを100年前から引き継がれている醸造設備で再現している。

つまり、「必要以上」に麦芽を贅沢に使用しているのである。そのためホップの量が少し多めだが苦くなく、むしろ麦芽の深いコクと甘みを感じるのである。

ここで注目したいのは、「麦芽100%」という日本の酒税法上のマジックである。同じ「麦芽100%」でも麦芽の使用量は誰も分からない。麦芽の「使用比率」は麦芽の「使用量」ではないので、酒税法上、同じ表示の「麦芽100%」であっても違いは飲んでみないと分からい。

たどり着くのは、

「知ってもらうには飲んでもらうしか無い」

という真理。

そこで、IBUの話に戻るのだが、苦味の感じ方は麦芽の甘み、香り、ホップのニュアンス(アロマホップなのか、など)でだいぶ左右される。

ベアレンのクラシックに当てはめて紹介するには、IBUの情報や「麦芽100%」といった画一的な表現だけだと魅力を伝えきれない、ということになる。

乱暴な言い方をするなら、飲んでもらえば、あえて私が稚拙な表現で力説する必要はない、という事になる。理想としては、、、飲みながら歴史や文化、造り手の想いを少しでも思い浮かべてもらえると嬉しい限りである。

つづく…

クラシックについて語りたい【第二回】

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新年明けましておめでとうございます。
今年もツカサのコラム(仮)をよろしくお願いいたします。
不定期でしたが、毎週木曜日更新を予定して執筆します。
本年もよろしくお願いいたします。
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「クラシックの液体についての話をしたい。」

そう聞くと、苦味とか色の話か?と想像されると思う。

その通りなのだが・・・。

突然だが、IBUというのをご存知だろうか。

ビール業界において、IBUとは国際的な苦味の単位を表しており、International Bitterness Unitsを略したものである。つまり国際苦味単位なのだが、最近のクラフトビールブームにより、このIBUを表記する飲食店が増えてきた。

(無論、そういった会社、飲食店、お客様を批判するつもりは無いが)ベアレン醸造所では聞かれない限り、あまりIBUについて語ることは無い。IBU表現に対して消極的な姿勢ともいえる。

企業秘密なのか?と問われれば、そういうことでもないのでお答えするのだが、なぜ消極的なのか?という事について語りたい。

たとえば、ベアレンクラシックのIBUは23。

IBUという単位は、苦味の基になっているホップの質量、アルファ酸、麦汁の体積などで算出されるわけだが、大手のラガービールのIBUが15、16程度、と言われているので、クラシックは「苦い」部類になる。

これは一つの指標になるわけだが、人間の味覚を数値化しているものではない、ということが重要になってくる。

つまり、「苦味の基を使っている量」を数値化しているわけで、感じる味覚とイコールでは無いということになる。

このIBU23の「苦い」部類に入るベアレンクラシックは、――飲んだことのある方ならご存知だと思うが――苦くない。少なくとも、大手4社のラガービールより、甘さすら感じるではないだろうか。

ここで特筆しておきたいのは、麦芽の使用量になる。

この話の続きは次回に。

(続く)