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ヴァイツェンについて僕が語るときに、いつも思い出すこと―Sommersemester(夏 学期)―

 

 

(2018年も夏のヴァイツェンが発売になりましたね!)

この時期、(夏至付近の日が長い時期)やはり僕が一番にイメージするビールは
「ヴァイツェン」です。

1998年当時、留学先の大学のカフェ(大学の敷地内にカフェがあったんですね)で
この時期になると学生もビールを飲んでいました。(当然授業の後です)

その頃、私の周りでは、この時期になるとラードラーがかなり飲まれていましたが、
同じくらいヴァイツェンが人気でした。
ヴァイツェンというと、500mlのボトルが1本丸々入る「ヴァイツェングラス」に注ぎ
瓶底の酵母もしっかりと入れて、泡をこんもりと盛って注ぎ切る。
一つの儀式のような形で注いでいたのを思い出します。

ちょっと特徴的な「ヴァイツェングラス」ですが、ヴァイツェンの硬い泡がしっかりと
グラスの上に盛り上がるような形状になっています。
※その形状は他のビールのグラスとは異なり、花瓶に似ていることから
「花瓶(Vase)ヴァーゼ」とも呼ばれています。

グラスの形状は、上面が少し丸みを帯びていて、飲んでいくと香りが丁度いい具合に
ふくよかなに感じられ、とても美味しく感じられます。
丁度ワイングラスとビールタンブラーの中間のような形状ですね。

ヴァイツェン自体、味わいのヴァリエーションが広く、また温度変化による味わいの変化が大きいです。
また、(唯一と言ってもいいかもしれないけれど)飲みながら酸素と触れ合うこと
で、非常に良い方向に味わいの変化を楽しめます。
ヴァイツェングラスで飲むと、その長所を存分に発揮させ、ヴァイツェンに秘めている
ポテンシャルを充分に引き出してくれるように思います。

とはいえ、そんな大きなグラスは、当時の私が住んでいた学生寮の狭い部屋においては
非常に邪魔な存在でしたので、やはり夜に外で(とはいえ明るいのですが)、
仲間と共に、ビールを慎重に注ぎ、―こんもり泡を盛上げて―、飲んでいました。

時に、泡の形状を「おお、上手く盛ったな」などと言い合い
時にお互いの「注ぎ方の流儀」を語り合いながら。

そんなことをしながら、ヴァイツェンを飲んでいたのですが、
乾杯の時には、丁度日が傾き始める時間帯(20時ころでしょうか)。
その時のヴァイツェンは、僕の想像以上にグラス内で乱反射し
白く輝いていたのが強く記憶に残っています。