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岩手の「岩手ゆずヴィット」について(その1)


ベアレン醸造所が作るビールにおいて、地域名が入ることは稀である。地元密着のクラフトビールとして、多少なりとも注目して頂いているにもかかわらず、である。

これは、私達の「地ビール」の定義を考えたときに「地元の原材料を使用している=地ビール」という単純なものではないからである。(この話は別の機会に触れたいと思う)

それでも敢えて「岩手」と表現している「岩手ゆずヴィット」には何があるのか?

理由の一つは、やはり使用している「北限のゆず」だろう。ベルギースタイルのホワイトビール「ヴィット」の原材料にはオレンジピールが使用されるが、岩手ゆずヴィットには「北限のゆず」の果皮が使用される。「北限のゆず」とは、柚子が生息する北限として、岩手県三陸の陸前高田で栽培しているブランド果実。2011年に甚大な被害をうけたこの地域が復興の象徴としてブランド化をすすめている。実は、ベアレン醸造所は「北限のゆず研究会」サポーターとして関わっている。柚子の果汁は、多くの商品化に利用されるが、果皮の商品化は難しく、「ウチならオリジナリティのある商品開発に使えるのではないか」となった。

ちなみに、この「北限のゆず」の果汁絞りなどの仕事を地元の障害者就労継続支援事業所が請け負っている。つまり「北限のゆず」を使用した商品が世に出回ると、彼らの仕事も増えることになる。陸前高田の復興に一役買うことになるである。

ベアレンの「岩手ゆずヴィット」は1本の売上につき10円を「北限のゆず研究会」寄付することにしている。