コビルビールは媚びないビール
脱力系のラベルデザインが、ベアレンらしくない「コビルビール」だが、このビールはいったい何なのか?
カテゴリー的には「セゾンビール」というものになる。
かつて農家が夏の農作業中に喉の渇きを癒すために、農閑期である冬の間に醸造したビールのことを指すわけだが、明確な製造の「しばり」はない。つまり、仕事の合間の休憩時に飲む季節限定醸造のビールを「セゾン(季節)ビール」と呼ぶわけだ。
とはいえ、ベアレンとしては、しっかりとしたコンセプトで味わいの設計をしている。ベルギーの多くのセゾンにあるような上面発酵酵母で造っている。そして、やるからには地元小麦の「南部小麦」を使用している。いわば、「農閑期に・・・」のくだりの部分を地元の原料を使用して再現しているわけである。
そして、ネーミングである。
コビルとは、岩手の内陸部の方言で小休止(休憩)を意味する「小昼(こびる)」を意味している。場所によってはもっと訛って「こびり」「こんびり」などと言われることもある。ベアレンなりの、セゾンビールを体現した「コビルビール」決して何かに媚びているわけではない。そこは、誤解のないようにしていただきたい。