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イングリッシュ・サイダーを飲んで感じたこと。

今シーズンのイングリッシュサイダーがはじまった。

ベアレンでは、イングリッシュサイダーに限らず、瓶詰の直前、官能検査を行ってからスタートする。(正確には、瓶詰直後にランダムに抜き出すわけだが・・・)

今回は、官能検査について、ではなく、マーケティングチームとして、「飲み手に伝える人」として私がイングリッシュサイダーから感じたことの話。私もこの段階で最終形を試飲することになるわけだが、サイダーの場合、個人的な経験が少ないので、過去のサイダーと比較してみた。

比較したのは、写真左2017年1stロットと、写真右2014年(初めて造った年)1st。始めに2017年をテイスティング。
(※テイスティング内容については、別途投稿予定)

次に、2014年をテイスティング。

(・・・おや?)

飲み比べると分かるのだが、見た目ほど、味わいに差がない。これだけ、黄色く変色していると、酸化臭、この場合すこしヒネた(紹興酒のようなニュアンス)が感じられるかと想像していたが、リンゴのフレッシュな感じがまだ、というかかなり残っている。通常、果実酒やフルーツビールなどでは、3年も経過すると相当に味が変質する。※ただし、香料、保存料を使用している場合は『全く』と言っていいほど変化を感じられない。敢えて、ポジティブな表現をすれば、非常に高いポテンシャルをもっている、とも言える。

そういえば、マイスターの宮木が以前 「リンゴを搾汁した直後にすぐに発酵へ持っていく、なんてことは他では難しいだろう。もっと言うなら、加水していない。通常は濃縮還元を使用しているだろうが、それをしていない。これは、もっと推してもいいと思う。」と言っていたのを思い出す。

他社があまりやらないので、飲む機会もないわけだが、そういう意味で非常に得難い経験となった。イングリッシュサイダーのボトルに閉じ込められている味わいの変化は遅く、3年では衰えをさほど感じられない。どこかのタイミングで、急激に、あるいは緩やかに、「あぁ、このサイダーはピークを過ぎて、テンション下がったなぁ」と感じる時が来ると思う。その時を確認するためにも、2014年のサイダーはもう少しとっておこう。

ワインと同じように、大切な年にはまとめ買いをしてもいいな、と思える液体だと感じた。